2010年10月アーカイブ

NPO法人和の学校主催の日本文化そもそもに参加してきました。

雨にも関わらずたくさんの受講生が堀川三条東入るの京町家連携キャンパスに集っています。

「祈りと文化」をテーマとした連続講座。文科省の「文化芸術都市京都の文化遺産の保存・活性化を支える人材育成プログラムの開発・実施」事業として京都工芸繊維大学とのコラボで実現した講座だそうです。

日本文化を考える上で、信仰や思想的は不可分な要素。心や身体を耕して豊かにするのが文化であるから、そこには明確な哲学や思考が必ずあります。ある意味それを日本人が日本の生活の中で具現化していくのが日本文化であるともいえます。その根本について学ぼうと参加しました。

今日は3回目「禅と日本文化」について、松雲寺住職であり花園大学教授でもある安永祖堂さんによる講義です。

まず、「罪」について「crime」と「sin」の違いから、西洋と東洋の世界観としての被造物感情と被産者感情について映画を話題にしながらとても親しみやすく話をされ、仏教を元にする禅宗においても、日本では神道の影響が非常に強く禅の歴史、「空」と「無」についてなど本当に興味深い内容でした。

仏教発祥の地インドから中国へ伝わってきたことを広めるには、その記録された仏典等をその国の言葉にどう翻訳するかが問題になります。中国においても、音から文字を当てたり(音写)意味から表したり(意訳)とあるそうで、表音文字と表意文字ということばの成り立ちは共通なんだなということを実感しました。

語義や語源からその先代の思いや歴史を学ぶことができる、そして「漢字」や「かな文字」からコミュニケーションは広がることを知ることができたことも大きな収穫でした。

その後、10分間の座禅体験のあとは、上賀茂の長久堂の京名菓「きぬた」とお茶をいただきながら講師の方と受講生とのほっこりと歓談の時間を過ごしました。

次世代の文化資源として考える

今日は、京都工芸繊維大学で開催されている「EC2010」(エンターテインメントコンピューティング2010)に行きました。

小雨がぱらぱらと降っていましたが、情報処理学会の会員としてEC研究会にも参加しているため非常に楽しみにやってきました。

コミュニケーションを考える上でも遊びというのはとても大事。技術を習得するのに機械的な反復は必要になりますが、それが単に苦痛になるようでは継続しません。特に主体的な学びにおいて試行錯誤することを楽しめるということは、挑戦することを恐れないようになるだけでなく、新しい発想や想像・創造力を育む上でとても大切なのです。媒介(メディア)を通して、課題→探究→実践というサイクルを回していきながら、自身とコミュニケーションしながら取り組んでいけるのです。でもこの辺がコミュニケーションが自己完結してしまうと批判の対象になるのでしょうね。

デモ展示会場では、学生によるインターフェイスデザインから情報処理技術を様々なアイディアで遊びの要素を取り入れて試作品をつくりあげていました。どれもこれもおもしろく刺激的なものばかりです。

特に興味深かったのは、「BENTO project」と「エスパードミノ」と「くま君の家庭大冒険」。

「BENTO project」

毎日4人が写真を撮影し、一つの箱にその写真が収まるというもの。365日撮影したものがを一つの本として制作もされており、まったく別々の場所や時間で撮っているにもかかわらず、4つの写真が1枚に配置されると不思議なつながりを感じてしまいます。

「エスパードミノ」

これは、直接な接触なしで、あらかじめ指定された順番にブロックが倒れていくというもの。離れていても無線で繋がっているのですが、ドミノという時空的なつながりをあえて断絶させているというのがとてもおもしろいです。

「くま君の大冒険」

あのレゴのマインドストームを活用して作成したリモコン式のロボット。教育機関でないとその教材を使用することはできないそうのですが、これは大人もハマりますね。


生活の中にコミュニケーションツールとしてPCやロボットが活用される日も少しずつ近づいているのでしょうね。もちろんまだまだ課題は多いですが。


京の歳時記と文様講座に参加(秋・冬)

今日は、四条京町家に行き、京の歳時記と文様講座に参加してきました。
講師の方は、普段着物をつくられている職人さん。
日本の文化は、カタチだけ残り、その意味や内容がしっかり伝承されて
いないということから、次世代にどのように日本文化のすばらしさを伝えて
いくのかを考え取り組む。文様検定という検定試験をきっかけにもっと文化に
関心をもってもらいたいということで今回の講座も企画されているそうです。
テーマは、秋と冬、日本文化の歴史から、節句や行事の興りについて幅広い
お話を聞くことができました。

例えば、お月見、これはそもそもは宮廷での里芋の収穫祭。それが江戸時代に
なり町人文化の盛り上がりとともに現在のようなかたちになったそうです。
十三夜や十五夜に月を見る、つまり望月(満月)もちつくから餅という由来
もあるのでおもしろいです。

紅葉(もみじ)ということばも、染色の際に白水に色ついて変化していくのを
「もみず」から「もみじ」と言われるようになったという話もありました。

日本人は農耕ととても関係が深い。そしてその季節の節目に自然に感謝する
儀式を必ず行っていたんですね。つまりは自然=食=生でもありますし。
何より、四季を通じて自然の恵みに感謝し、自然から学び、共生していく
ということをとても大事してきたのです。
そのことを繊細かつ端的に表現・デザインしているのが、文様であり家紋なの
でしょう。

自然との会話が、コミュニケーションの始まりとも言えますね。

講義後の休憩時間には、秋らしくもみじの煎餅と栗の和菓子を楽しみ、
その後、他の参加者と一緒に、文様や家紋のカルタ遊びで実際にカタチに
触れながら意味を知るという遊びと学びが融合された内容でした。

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